アナログな物っていいよね。
今のデジタルな物も勿論便利だし、実際にデジタルになって利便性が飛躍的に向上した物は沢山ある。
それでも敢えてアナログな物がいいなと思うことがある。
父が通称ハコスカという昭和40年代の古いスカイラインを所有しているのだが、それはもうアナログ祭り。電子機器の類はほぼ皆無。父が若い頃からいつか乗りたかったようで、約10年前に無理して購入してた。でも無理してでも欲しくなる気持ちはわかる。
写真がハコスカ。私の生まれる遥か前の車だけど、良い車だなと思う。
故障が多く、部品も生産終了の物があったりする為、当時の車をよく知っていて自分である程度は故障などに対応出来る人間でないととてもでないが維持出来ない。故障する度修理に出していたらやってられないしね。
元自動車整備士の父は「最近の車でいいと思う車が無い」とよく言っているが、気持ちはわからなくもない。
あの数値で測れないワクワクする感じはアナログならでは。壊れても修理してでも持っていたいんだろうなと思う。
最近のデジタル機器で故障したら修理してでも持ち続けたいと思える物ってあるだろうか?
これはもちろん人によるのだろうけど、少なくても私にはない。
私の思い入れのある物はエレキギターだが、やはりアナログ。エレキギター自体は実は構造はとてもアナログな物である。
こうやって書いていてそもそもデジタルとアナログの具体的な定義って何だ?と思ったので、ネットで少し調べてみた。
・デジタル = 連続的な量を段階的に切って数字で表す
・アナログ = データを連続的に変化していく量で表す
…つまりどういうことだってばよ!笑
ただここで、私の趣味のギターでいうとアンプ。
これがデジタルがいいかとか真空管がいいかということはよく言われている。
真空管アンプの方が暖かい音がしてやはり真空管だよね!という派。
デジタルだって最近のものはよく出来ていて真空管との違いがほとんどわからない!という派。
どちらがいいかは人それぞれだけれど、アナログなものは厳密な意味では数値化出来ないということだと思う。
プロもデジタルアンプを使用している人も沢山いるけれど、利便性や可搬性の問題も関係しているよう。
本当の真空管アンプの音が欲しい時用に、真空管アンプはちゃんと別途持っているというケースが多いみたい。
0と1の数値間には表現は出来ない無数の数値があって、そこを追求していったらキリがないということなんだろうな。
ただその再現性がどんどん技術進歩で上がっていっているのも事実。
なので、プロの耳で聴いても十分!ということでデジタルアンプも普及し続けているのだろう。
例えばピカソの描いた絵を現代技術でフルカラーでコピーすることは出来ても、ピカソの絵画の青い絵の具を使っている部分。
その青い絵の具の色合いを完璧に数値化して同じ青を作ることは出来ないだろう。
その反面、コピーなどの機械を使用すれば同じ絵を量産は出来る。
アナログだとピカソ本人が同じ絵を書けと言われても、そういった意味では同じ絵を量産することは出来ないだろう。これは人間は機械ではないから当然。
広告ポスターやチラシだと同じ物を量産出来た方がいいから印刷は機械で十分。
なのでデジタルもアナログもどちらも一長一短。
ただここ数年でこれだけ人類が急速に発展してこれたのはやはりデジタルの力で誰もが一定以上のクオリティで、いろいろな事をできるようになったおかげだと思う。
youtuberとか自分でテレビ番組を作って出演出来るような物だし。
iPhoneが個体差ありまくりだったら嫌だし、デジタル技術の進歩にはもちろん感謝!笑
そんな中でアナログな物や体験。
アナログなことには数値で表せられない、人間の五感に訴えかけてくる何かがあるのかなとも思う。
音も外さない完璧なCD音源よりも、多少音が外れていても生の演奏を聴きにライブに行くし
旅行に行った際に同じ観光名所の写真でも、プロのカメラマンが最新のカメラで撮った写真を保存するよりも、自分で撮った写真を保存しておいた方が後で見返していい気分になれるし
パソコンで作成した手紙より、手書きの手紙の方が伝わることがあるし
最新の車より、昔を思い出せる旧車の方が買って満足出来ることがあるし
何が作用しているのか上手く説明出来ないけれど、アナログの方がいいよね!ということはまだまだ沢山あると思う。
感情論と言われるかもしれないけれど、その感情を作り出している要素は何?と言われたらなかなか説明が難しいと思う。
これは0と1の間の本当に絶妙な数値。デジタルだと判別できない部分に隠されているのかも。
この問題が完璧にクリア出来た時、人間の心を持ったドラえもんのような機械というのが誕生する時なのかもしれない。
デジタル機器がもの凄く発展をしている中、どうしても効率や機能性重視になりがちだけれど、無駄な物や数値で割り切れないアナログな物を楽しむゆとりも忘れないでいきたい。