『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』

先日読み終えた本。ゼロで死ね。

働いている間は倹約をして、老後に備えてしっかり貯蓄をする。そして遺産は死後に子供達に相続させるという流れが大体の一般論。

それとはある意味真逆。死ぬまでにお金は使い切れ!という。

 

・若いうちは貯蓄よりも経験のためにお金を使え。

・子供に資産を残したいなら生きているうち、子供が若く一番お金を有意義に活用できる年齢の時に渡せ。自分の為のお金と子供に残すお金は分けて、自分の為のお金はしっかり使い切ろう。

・例えば100万円残して死んでしまったら、ある意味100万円損したことと同じ。その100万円を得るために費やした時間や労力を他の有意義なことに費やせたはず。

・45歳〜60歳を目処に資産を取り崩し始める

・人生で一番大切なものは思い出。特に若い頃は若い頃にしかできない経験があり、そのためには借金してでもやるべきだ。そういった出来事こそ最高の思い出になる。

・これからやろうか迷っていることにも賞味期限がある。やれるうちに行動しよう。

 

いろいろ他にもあるけど、主にこういったところであろうか。

特に人生で一番大切なものは思い出という内容と、やりたいことには賞味期限があるという内容にはもの凄く納得。

行動が経験を生んで、経験が知識や能力を生んで、今現在が作られていくと思う。

 

私の好きな音楽の話で例えると、現在成功者とされている大物ミュージシャンも若い頃に単身上京をしている人が大多数。

若い頃だからこそ大胆な行動が出来て、精力的に音楽活動も出来て、結果が出て成功していく。

もちろん例外はいくらでもあるけれど、傾向としては若い頃から大胆な行動をしている傾向が多い。

もし若いうちに行動せずに花が咲いていなかったら、今の活躍しているミュージシャンたちもかなりの数がデビューしなかったであろう。

年齢重ねるごとに活力も落ちてくるし、周りからのプレッシャーなどもあるだろうし。もちろんタイミングも。

 

成功したとしても、思い描いた成果が出なかったとしても、行動をすれば必ず思い出にはなるし経験にもなる。

「昔ミュージシャン目指して東京行ったんだけどさ〜」

という昔話が出来るだけでも素敵なことだと思うし、経験豊富な人の話は聞いていておもしろい。

ただ、80歳のおじいちゃんがミュージシャン目指す!!というと、否定はしないが成功の確率は若者よりはかなり少ないだろう。これがスポーツ選手とかを目指すという話なら、運動能力的な話にもなってくるため尚更。

その行動を起こせる年齢、賞味期限があるのは紛れもない事実だと思う。

 

この本もお金よりも時間や経験が大事だと主張している本だと思う。お金の本来の在り方とは?を考えさせられた本。

お金は大事だけれど、お金を稼ぐために時間や経験を全て犠牲にしていたら本末転倒。

この本は所々で極論を言いたいわけではないと書いてある。そう、別に貯蓄は一切するなとは言っていないし、お金を無計画に使いまくれとも言っていない。

仕事ばかりの人生に後悔して亡くなってしまったり、いざ何かをやりたいと思っても、既に高齢で健康面などの問題でやりたいことが出来なかったりなど、後悔しない人生を生きる為にはどうすればいいか?というときにこう考えればいいよという考え方を提供してくれている。

お金を貯めるために働くのでなく、お金をしっかり活用して人生を豊かにする。そのお金を得るために働く。もちろんその為に貯金が必要があるのであれば貯金をしたらいい。

 

そして思い出にも複利があるという考え方が一番いい考え方だなと思えた。

「元の経験を心のなかで追体験し、さまざまな感情を甦らせることができる」と作中にあるが、野球選手が少年野球時代の頃を思い出して懐かしんだり、当時は辛かったけど今となってはいい思い出だとか。こういうのは思い出がもたらしてくれた複利なのだろうなと読んでいて納得。

当時の出来事はその時起きた事実1つかもしれないが、それに対して後から思い出してこうすれば良かったかなとか考えるのも複利的な効果と言えると思う。反省という言い方にもなるかもしれないけど、反省するべき経験がないと反省は絶対に出来ない。反省の数だけ経験がある。

 

全てを実行するのはなかなか厳しい内容もあったけれど、考え方としてとても参考になった一冊でした。

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